犯罪・刑事事件の解決事例
#遺留分侵害額請求(遺留分減殺請求)

交渉中に遺言が見つかったケース(法人取扱)

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松枝 弘樹 弁護士が解決
所属事務所弁護士法人ラグーン黒崎支店
所在地福岡県 北九州市八幡西区

この事例の依頼主

年齢・性別 非公開

相談前の状況

依頼者の祖父が被相続人で,相手方は,被相続人の娘さんになります。依頼者の祖父には,長男と長女の二人の子供がいましたが,長男は,先に亡くなっていたため,代襲相続が発生しました。長男には,二人の子供がいたため,依頼者の祖父からみて,長女と孫二人が相続人になりました。被相続人が残した財産は,たったひとつの土地と建物しかなかったのですが,長女と長男の嫁が非常に折り合いが悪く,長男の嫁が憎いことからその子供である被相続人の孫のことも憎いようで,当事者間の遺産分割協議は交渉決裂したとのことでした。

解決への流れ

そうして,私が相手方である長女と交渉することになったのですが,交渉を進めていくと,遺言があることが分かりました。そして,相手方が言うには,その遺言には,全ての財産を相手方にあげると書いてあるとのことでした。遺言は自筆証書遺言であり,裁判所での検認が必要なため,私も代理人として検認の手続きにたち会いました。そうしたところ,確かに,相手方の言う通り,全ての財産を相手方にあげるという内容になっていました。もっとも,仮にその遺言通りに執行されたとしても,孫が何ももらえないわけではなく,法律が用意した最低限の保証として遺留分という権利が残されています。しかし,遺留分であれば,法定相続分2分の1の半分である4分の1しか取得できません。また,相手方は,不動産をもらっても困るという反応を示していました。そこで,私は,すぐに売却できる先を探し,現金にすぐに変えることができることを説得材料に本来取得できる4分の1から少しでも上積みできないか交渉したところ,現金が即座に手に入るというお話しは相手方にとっても大変魅力的な話しだったようで,相手方に全部あげるという遺言があるにもかかわらず,法定相続分の2分の1をあげるという遺産分割を行うことができました。この事例を通じて,私が皆様方にお伝えしたいのは,相続人がお子様やお孫さんである場合,全財産をそのうちの一人に相続させるという遺言を作成しても,遺留分という権利が他の相続人にも残されているため,死後の紛争を防止できないということです。死後の紛争を防止するためには,弁護士にご相談のうえ,遺留分を考慮した遺言を作成しておく必要があります。

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松枝 弘樹 弁護士からのコメント

上記の場合、弁護士が間に入ることでスムーズな解決につながるケースもございます。上記のようなケースの場合は、弁護士へのご相談をお勧めします。