この事例の依頼主
年齢・性別 非公開
相談前の状況
相談者の父が,相談者と父の居住していた建物(兄と父の共有)とその土地及び預金を残して死亡したが,葬儀費用等を父の預金から支出し,遺産は建物(共有持分2分の1)と土地しかないなかで,兄が遺産分割調停を申し立てる。
解決への流れ
当該建物の建築費用のために,兄が借りた借入金の返済を全て父がしていたことから,その返済金は特別受益に当たることを主張し,兄の建物の共有持分を買い取り,父の遺産である建物の共有持分と土地を単独で取得する代わりに,少額の代償金を支払うことで合意する。
遺産が不動産しかない場合には,遺産を特定の相続人が単独で取得し,その代わりの代償金の支払が問題となりますが,その金額によっては代償分割に支障が出ることもあり,特別受益や寄与分によって調整できることもあります。